Sが住んでいるところは田舎で、小学校へはバス停まで班長を先頭に皆で15分歩いて、それからバスで10分くらいかかった。
同級生で一番近くに住んでいるのはヨウコちゃんだった。
小学校2年生のSは学校では男友達と遊んでいたが、家に帰ってからはよくヨウコちゃんとママゴトをして遊んだりしていた。3つ年下でヨウコちゃんの弟のかーくんともよく遊んだ。
Sより背が高く、目が大きくて性格もどことなく大人びているヨウコちゃんがSはちょっと好きだった。
ヨウコちゃんのお母さんもやさしくて好きだった。
ある日、Sはヨウコちゃんの家の庭で遊んでいるときに、ヨウコちゃんのお母さんに「おばちゃん」と言おうとしたところ、「お母さん」と言ってしまったことがある。そのときSはどうしていいかわからず、思わず赤面してしまった。
おばちゃんはただ笑っているだけだった。あとでグリーンティーをごちそうしてくれた。
うちのお母さんもこんなにやさしかったらいいのになあ、とSは思うのだった。