次の日、Sは学校から一人で帰っていると、昨日と同じ場所で強烈な便意をもよおした。
たまらずぶりぶりとまたうんこを漏らしてしまったのである。
前日母に笑われたことを思いながら、ガニ股で家まで歩き、玄関のドアをあけた。
「お母さん、またうんこもらした。あはは」
母にまた笑われるだろうとSは思っていたが、目の前には鬼がいた。
Sは凍りついた。
「家に入ったらあかん!そこで脱いで外の水道でパンツ洗ってこい!」
Sは下半身丸出しのまま家の外側にある水道の蛇口をひねり、自分でパンツを洗うはめになってしまった。
べそを掻きながらパンツについたうんこを洗い流していると、郵便の配達員がやってきて、ポストに郵便物を入れながら訝しげな顔をしてこっちを見た。
恥ずかしいから早く行ってくれ、とSは思った。
時々母がのぞきにやってきた。
「蛇口にこすりつけたら汚いやろ!」
烈火のごとく怒った母は容赦なくSを叱りつけた。
そのとき、家の前の道をかあくんが走ってきた。
こっちを見ないでくれ!とSは願ったが、かあくんは母の怒声に気づき、こちらを見ながら走り去っていった。
最悪だとSは思った。かあくんはSが好きな同級生のヨウコちゃんの弟である。Sが下半身丸出しでパンツを洗っていたということをヨウコちゃんに知られてしまったら一巻の終わりである。
Sは泣きながら一生懸命自分のパンツを洗った。早く家に入りたかった。
やっとのことでパンツを洗い終え、家に入ることを許してもらったが、Sは次の日学校へ行きたくなくなった。なにより、ヨウコちゃんに会うことが嫌だった。ヨウコちゃんに知られ、またクラスのみんなに知られてしまったらもう学校には行けないと思っていた。
しかし次の日、学校を休むわけにはいかなかった。ヨウコちゃんは普段と変わらず接してくれた。何事もなく学校で一日を過ごしたSはもううんこは絶対にもらさないと心に誓うのであった。